つづり

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ユーリ!!! on ICE 感想 1話

ユーリ!!! on ICE 感想 1話

 

勇利の静かなモノローグを背景にヴィクトルがスケートをしているところから始まる。髪の長いヴィクトルが、影を通り過ぎて短い髪になるのがとても好きだ。

オープニングが好きだ。人間の体がスケートを滑って舞っている動きとキャラクターの柔らかい表情がとても鮮やかだ。主題歌も好きだ。途中から映像が繰り返しになるので、手書きでスケートの動きを描くのは大変なんじゃないかと思った。

オープニングの後に白黒のカツ丼が出てきて、色がないとなんだかまずそうに見えると思った。1話の勇利から見たカツ丼なのかと思ったけど、この後の話を見ると、オープニングの後の映像は毎回白黒なので、そのせいでまずそうに見えるだけなのかもしれない。

そのあとスケートの試合会場がでてきて、解説の人がいて、フィギュアスケートの試合ってこんな感じなのかなと思っていたら、いきなり勇利のモノローグが入ってびっくりした。最初見たときに慣れなくて、何このアニメ、すごい見づらい、小さいキャラクターで説明するんじゃなくてキャラクターの行動で話をしてよ、と思った。

勇利のモノローグを聞いて、頑張ったけど負けてしまった、なんだか気弱でさえない人だ、という印象を受けた。ユーリはいきなり怒鳴って舌打ちする気性の荒いキャラクターだけど、名前の響きが同じ、という理由でトイレまで来るなんて、律儀なキャラクターだと思った。

チェレスティーノから勇利を見ると、勇利は感情の読み取れない表情で、自分のニュースを他人事のように読み上げていて、勇利が何を考えているのか想像するのが難しい。

たくさんの人が指摘するように、勇利のモノローグや視点は、勇利の考えが反映されるので、第三者から見た客観的な事実と異なることがある。勇利が意図的に話さなかったり、思い込みで話したり、見落としたりする。それで信頼できない語り手と言われていて面白い。

諸岡アナに話しかけられて、途中まで答えていたけど、途中から考え事をしているのが面白い。意図的に人の話を聞いてない、というわけではなくて、勇利は他人に自分の考えを話すより、自分の中で考え込んでしまうキャラクターなのかもしれない。

ヴィクトルは歩きながらユーリにステップシークエンスの話をしている。あとの話に影響してくることがいっぱい詰まっている。

勇利はヴィクトルと対等でいたかったというモノローグを聞くと、向上心があると思うし、対等に見られていなかったことに恥ずかしいと思うところが面白い。自分の力不足だと思って落ち込んでいる。

ミナコ先生がくるっと回って勇利を迎えるところが好き。小さな動きが丁寧に描かれている。

ウインクしてるヴィクトルを見て、おでこが広くてちょっと疲れた感じのとても美しい人だなと思った。

お姉さんは、長い年月一緒にいたけど、距離のある他人という感じで、とてもきょうだいらしいと思う。

優子ちゃんは優しい。勇利の長期間会わなかった他人に対する態度が面白い。最初はかしこまっていて、優ちゃんて呼んでよ、と言われてほっとしている。

他の人が言及していて、そういえばそうだと思ったところだけど、優子ちゃんの、ヴィクトルと戦っているところ早く見たいな、というセリフはその後に、自分にはできないけど、と続くみたいで悲しい。フィギュアスケート(他のスポーツでも)の選手でいるには、才能とお金とその他がなければ続けることはできないのかもと思った。

スケートのシーン、最初のうちは目が慣れなくて、画面がぐらぐら揺れてるみたいに見えたけどそのうち慣れた。アニメだから足元のすぐそばの視点から描くことができて、躍動感を伝えられる。

これは他の人の感想で面白いと思ったところだけど、離れずにそばにいてという歌は男性が男性の恋人に向けて歌ったものだということ。歌詞に出てくるイタリア語の abbandonato という単語が男性名詞だから、ということらしい。公式の歌詞を見つけられなかったから本当かどうかわからない。

ミナコ先生がヴィクトルに対して、世界中の女にモテまくってる、と言っていて、ヴィクトル・ニキフォロフは一般的にそういう印象なのかもしれない。

ミナコ先生の話し方が好きだ。発声と言えばいいのか、自然な話し方の演技が好き。

勇利の部屋にヴィクトルのポスターがいっぱい貼ってあってびっくりした。机の写真立てにもヴィクトルがいて、本当に好きであこがれているんだなと思った。あとからみると押し入れの奥にトロフィーが置いてある。

動画が拡散して、そこからヴィクトルがやってくるのが最初、どうしても納得できないというか、なんでそんな展開になるんだとか、救世主が向こうからやってくるなんて都合がいいなとか思っていた。それと、ヴィクトルは喋ると変な人だと思って、今後の進退に悩んでいるようだったし、エンディングを見て、この話はヴィクトルの人生の休暇みたいな話になるのか、と最初は思っていた。

エンディングはインスタグラムが現代的だとか、気の向くままに踊っている勇利がすごく魅力的だとか、ヴィクトルが勇利の髪を梳いている写真はすごく親密だと思った。あの写真を見て、愛情はどこかから勝手にやってくるものじゃなくて、ヴィクトルが勇利に向けたいと思っていて、それを勇利も受け取ることを承知していて、そういうふうに互いの感情が重なることは奇跡みたいなことだと思った。