つづり

このブログは自分のためのメモ帳です。

スティーブとバッキー(MCU) ファンフィクションのメモ

以下でマーベル・シネマティック・ユニバースの内容に触れている。

マーベル・シネマティック・ユニバースと書いたけど、見た映画はアントマンドクター・ストレンジブラックパンサーキャプテン・マーベルなので、観ていない映画のほうが多い。それから、英語は得意でないので、間違いがあったら教えてほしい。

 

 

ファンフィクションを紹介するウェブサイト

The Stucky Library

サイト名のとおり、スティーブとバッキーのファンフィクションが収集され、紹介されているサイトだ。文字数やジャンルなどのタグで検索ができる。タグの数が多くて(バッキーのタグだけで40個はある。)大変便利だ。

https://thestuckylibrary.tumblr.com/post/139267993712/do-you-know-of-any-fics-where-steve-washes-buckys

thestuckylibrary.tumblr.comこのリンク先のように、特定のエピソードが含まれる作品について探しているという質問があり、それに対して回答するという形式でファンフィクションを紹介しているものもある。作品の概要からはわからないシーンが探しやすいし、質問と回答のやり取りを見るだけでも楽しい。

 

ファンフィクションの感想

The Steven G. Rogers Guide to What You Missed the Last Few Years - what_alchemy - Captain America (Movies) [Archive of Our Own]

Words: 5195

Summary: Steve's got the hang of this 21st century thing.

(要約:スティーブは21世紀の問題のこつをつかんだ。)

21世紀では室内で帽子をとらなくてもよい、というところからこの話が始まる。スティーブに指摘されて、バッキーは一度帽子をかぶりなおすけど、また帽子をとる。

バッキーが帽子をかぶったりとったりする冒頭のシーンは些細な出来事で、笑いを誘うような軽やかなシーンだ。そういう感じで深刻になりすぎず、軽やかな雰囲気の中、帽子の着脱、食料品店、意味変化、寿司、ヨーグルト、女性同士のカップル、インターネット、冷凍食品といった21世紀の文化を通してスティーブとバッキーの関係が少しずつ変化していく。

ちなみに、Summaryの「this 21st century thing」のthingの意味がよくわからなかったので、問題という言葉に翻訳した。辞書によるとthingが名詞の後に続くときは問題や話題という意味になるらしい。

 

Scandal - biblionerd07 - Captain America (Movies) [Archive of Our Own]

Words: 3190

Summary: Two boys are caught "getting fresh" in the Captain America exhibit, and Steve has to make a statement to the press. He doesn't quite stick to Pepper's script.

(要約:キャプテン・アメリカ展で二人の少年が「いちゃついて」いるのが見つかり、スティーブは記者に声明を出さなければならない。スティーブはペッパーの台本に完全に従うというわけではない。)

冒頭からスティーブとバッキーが二人して記者会見の伝言をしに来たトニーをからかうので、トニーは呆れるやら驚くやらで忙しい。バッキーが現れる前はスティーブが笑うのを聞いたことがないとトニーが言うように、バッキーがいるとスティーブは気を緩めることができるという描写が好きだ。

あとは以下のような

I was a socialist,” Steve agrees. “Not like Lenin though.”

“Well, sounds like Lenin got a few things mixed up,” Bucky acquiesces. “I have no allegiance to Lenin, by the way.”

“Good to hear.”

軽妙なやり取りが続くので面白くて読み進めるのが楽しい。

記者会見で最初はペッパーの台本通りに話すけど、記者の無礼な質問に応えて踏み込んだ発言をするスティーブが痛快だ。それからSNSを使いこなしているバッキーも面白い。この出来事の後のペッパーは大変そうで気の毒だけど、楽しい作品だ。

 

Brooklyn - togina - Captain America (Movies) [Archive of Our Own]

Words: 8749

Summary: "Captain America, what's your stance on gay marriage?"

Everyone knows that, by now. Everyone but Bucky.

(要約:「キャプテン・アメリカ同性婚についてあなたはどう考えていますか?」

 誰もがそのことをすでに知っている。バッキー以外の誰もが。)

一つ前に紹介した「Scandal」ではカミングアウトを題材のひとつとして扱っていて、この作品でもカミングアウトについて扱っている。「Scandal」と違うのは、スティーブがクローゼットから出てきたタイミングが、バッキーが生きていると判明する前だったことだ。そのためにボタンの掛け違いのようなにっちもさっちもいかない展開になってしまって、臆病で身勝手な(その身勝手さは人間らしくて面白い)スティーブが見られる。全体的にロマンティックな話だ。

記者会見のためにスティーブが勉強したり、前途多難でトニーがスコッチを取りに行ったり、記者会見前に中東について政府のやり方に賛同できないとスティーブが言い出して、それは言ったらだめだとアベンジャーズの面々に止められたりして面白い。

タイトルの「Brooklyn」は作中でスティーブがカミングアウトした後に作られたバッキーとスティーブの映画の題名だ。スティーブの発言による影響が大きくて面白い。

色々あってバッキーが木から落っこちるところと落ちた後に通りすがりの人たちと話すシーンが愉快で優しくて好きだ。

 

No One Wants Your Opinion - thepinupchemist - Marvel Cinematic Universe [Archive of Our Own]

Words: 5600

Summary: Wherein Bucky loves to cuddle Steve Rogers, Steve comes out on national television for the sole purpose of spiting conservative politicians, Tony sees things he wishes he hadn't, and Pepper doesn't know why she even bothers.

(要約:バッキーはスティーブ・ロジャースを抱きしめるのが大好きだ。スティーブは保守的な政治家を苛立たせるのを唯一の目的として全国テレビ放送でカミングアウトをする。トニーは見たくなかったものを見る。ペッパーはなぜ悩まされるのかわからない。)

作品に関係ないけど、私が英語で一番好きな単語はcuddleだ。

1930年代にスティーブとバッキーが付き合っていた設定で、その時代に二人の関係を隠していたから、21世紀でもその習慣が続いている。それとバッキーが回復中でもあるから大っぴらにしたくない。そういった理由で、そもそもスティーブやバッキーはカミングアウトする気がなかったけど、保守的な政治家がキャプテン・アメリカ同性婚に賛成しないというようなことを言ったので、スティーブが憤慨してカミングアウトすることになる。

全く笑い事じゃないのはわかってるんだけど、スティーブが保守的な政治家にものすごく怒ってるのが面白い。

“That fucking orange, racist, misogynistic, fluffy-haired piece of shit!” Steve yelled. Again.

“Babe,” Bucky said evenly, “Come on. Babydoll. Breathe for me.”

“I will not,” Steve gritted out, “I am not Donald goddamn Trump’s fucking puppet!”

引用した文章のとおり、保守的な政治家というか名前を出してトランプに激怒してるんだけど、そうやって怒り抗議することがフィクションでも必要だと思った。少なくとも私には必要だ。あとはスティーブを演じた役者がトランプに抗議し反論しているということも少なからずこの創作に影響しているんだろうか?

ティーブとバッキーがお互いを甘やかしてるのが好きだし、作者が地の文でスティーブとバッキーが戦前の若くてあどけない目をしたキャラクターではなく、二人とも変わってしまったと言い切っているのが好きだ。

この作品でもテレビ放送でスティーブがカミングアウトするときにペッパーの台本から外れていくのが面白い。どこの作品でもペッパーは大変だ。