つづり

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ユーリ!!! on ICE 感想 3話

ユーリ!!! on ICE 感想 3話

 
ヴィクトルがスケートを滑っているのを見ると、すごいと思う。簡単そうに滑っているけど、実際はとても難しい。

ユーリが口をちょっと開けてヴィクトルを見てるのが子どもっぽいと思った。振付を一回見ただけで覚えるのがすごい。才能の塊という感じがする。

優子を見たときのユーリの反応を見て、ユーリは女ぎらいなのかと思った。「男らしさ」がユーリが絶対視するものなのか。よくわからない。この後の話でもたびたびそう思う。

ユーリは現代のものさしで言うと「男らしくない」美しい容姿をしていて、それに対して色々な人から難癖をつけられたり、からかわれたり、舐められたりしていやだったから、その反動で「女性らしい」もの、それから女性をいやがるのかとも思った。

男らしいとか女らしいとかそういった考え方は偏見だと思う。人間のもつ性質は性別で分けられるものじゃない。例えば、強さは人間が持つ性質だけど、男性だけが持つものじゃない。それから、ある個人に強さがあってもなくても、それを見て、他人がいいとか悪いとか勝手に決めつけることじゃないと思う。

何にせよ、ユーリは優子のことを悪くはない、むしろ好きだと思ったように見える。

ヴィクトルのエロスの振り付けを最初に見たとき、勇利のモノローグで、男の僕でも妊娠しそう、という言葉が出てきてびっくりした。

妊娠しそう、という言葉はネットのスラングという印象が個人的にあって、ネットで文字としては使うかもしれないけど、頭の中で発音する言葉じゃないと思っていたからびっくりした。

それから、勇利のことをこの時点では異性愛的な男性の考え方をする人だと思っていたから、妊娠という言葉を使うとしたら、妊娠させる、という言葉を持ってくるのかと思っていた。そうではなくて、自分が妊娠するという発想が勇利の中にあったのか、と思ってびっくりした。

あとは、妊娠という言葉が性的なものとして使われるのに違和感があった。生殖と性的なものは、近いところにあるけど別のものだ、と個人的には思う。

クワドという言葉が使われていて、クワドってなんだ、と思って調べたら、四回転のことだった。トリプルとかダブルと同じ言葉だ。サルコウとかアクセルみたいにクワドという名前のジャンプがあるのかと思っていた。

ヴィクトルが勇利に、勝てるスキルがあるのになぜ発揮できない、と問いかけて、勇利が、自分に自信がないから、と自信なさそうに答えているところが面白かった。

ヴィクトルは、勇利が頭の中で自分に自信がないと考えている状態から、勇利の考えを口に出して言わせるという行動を引き出している。言葉を口に出す行動は内向的な人間にとって精神的に負荷がかかる行動だと思う。

あとは口に出すことで自分がどう考えていたのか、自分で再確認できる。頭の中で考えたつもりでも、いざ言葉にしようと思ったら、言葉にできないことがあったりするから、口に出せるということは、自分で自分の考えたことを知っていることだと思う。

リンク上でヴィクトルが勇利の唇に触れながら話しているところは、率直な言葉で言うと、とてもエロい。今ならそうやってぼんやり見ていられるけど、最初はちょっと警戒して見ていた。

このアニメが話をどういう方向に持っていくのかわからなかった。視聴者へのサービスとして同性愛的な行動を利用するけど、最後は異性愛の話で終わらせる、という展開になったらいやだと思っていた。視聴者として製作者を信用して、でもそんな展開になったら辛いから、最終話を見るまで気が抜けなかった。

 

それと少し親しくなったとはいえ、許可なしに他人のパーソナルスペースに入ったり、他人に触る人は怖いと思った。


10話を見た後では、このシーンは視聴者サービスというよりも、2話の宴会場と同じで、ヴィクトルは勇利との距離を詰めに来ているように見える。英語なら flirt と表現するのかもしれない。恋愛をこれからしようとする人たちの距離で、恋愛の前段階の行動を取る。その暗黙の了解を勇利も知っている、とヴィクトルは考えているのかもしれない。

勇利はバンケットのことを全く覚えていないので、ヴィクトルの行動の意図を読み取るのが難しいと思うけど、やたら距離の近い人だとか、まぎらわしい行動をする人だとか考えていたんだろうか。

エロスの振り付けを見た後に、勇利の語る物語がとても異性愛的で、最初は見ていてしんどかった。

この物語の色男はヴィクトルで、町一番の美女は勇利だと指摘している人がいた。10話の後は、反対に、色男が勇利で、町一番の美女がヴィクトルだと言われていて、面白かった。ヴィクトルの視点から見るとまた違った話が見える。

ヴィクトルを超えたい、と言う勇利が好きだ。勇利は自信がないというけど、自分ならヴィクトルだって超えられる、とどこかで思っている。プライドと向上心の高さが見えて面白い。

アガペーって何だと聞くユーリに、ヴィクトルはフィーリングだと答える。言語化せずになんとなくの感覚だけで滑れてしまうのか。

フィギュアスケートで演技をするときにどういう姿勢で向かうのかキャラクターごとに違うと言われていて、面白かった。ヴィクトルはフィーリングで、ユーリは言葉の意味を聞いて、勇利は物語を思い浮かべる。

ヴィクトルの大雑把すぎるアドバイスを、とりあえず言われた通りやってみるユーリは素直だと思う。

勇利にとってのエロスがカツ丼だという発想に、ヴィクトルは理解できない、という反応をしてたけど、翌日からの練習で、カツ丼のイメージを使って指導してるところが面白いと思う。

ところでカツ丼を食べたことがないけど、おいしいのかな。いつか食べてみたい。

トレーニングがどれもきつそう。勇利とユーリの腹筋の仕方が違うという指摘を見て、動きの描き分けがすごいなと思った。

ユーリのじいちゃんと手をつないで歩く回想は寂しい。回想の色合いも、ユーリのセリフも。

ヴィクトルの、昔は髪が長くて、衣装は男女両方をイメージしていたというセリフがあって、性自認が体の性別と一致してない、いなかった、と解釈する余地があると思った。どうとでも取れる。ここの男女両方をイメージした衣装は、勇利がエロスの振り付けに、大きなくしみたいなものを見つけるシーンだから、そっちの意図の方が大きいとは思うけど。

3話の控室のヴィクトルが何か考え込んで、ユーリを見ている。ユーリのアガペーが見つかって、さらに完成されていくのがわかって、ヴィクトルから見たら勇利の方はまだ完成できてないから、どうしようか考えている、のか?
ここのヴィクトルが何を考えているのかわからない。

ユーリを見てすごく可憐だと思って、これから体格が変わっていくと、それに合わせるのが大変なんじゃないかと思った。

リンクに出ていく前にヴィクトルに声をかけられて、勇利が息を詰まらせたような声を出していたけど、それを聞いていると辛い。声を出したいのに出せないときの、のどが絞まるような感覚は苦しい。

カツ丼大好きだよ、と言っているヴィクトルが突っ立ったままで、無表情なのが怖いんだけど、何を考えていたんだろう。勇利のスケートの中に見出したものが、まだエロスの振り付けで見えなくて、もしこのスケート対決で、ヴィクトルが納得のいく演技を勇利ができなかったら、ヴィクトルは帰ろうと考えていたのか。それとも、帰る気はなかったけど、どうやって指導しようか悩んでいたのか。

勇利がいきなり、わたし、と語りだしたときはすごく驚いて、ちょっと居心地悪かった。男性を美しく描くことに気合を入れているアニメで、エロスというテーマに女性をもってくるのは、なんか違うと思った。でも、とりあえず、ここでの勇利は町一番の美女になる必要があると思って、ミナコ先生に女性らしい動きを教えてもらって、演技を変えて、憑依したみたいに演じてる。

さっきも書いたけど、女性らしいって言葉が好きじゃないから、なんかやだな、と思った。何度か見たらさすがに慣れたけど。

女性らしい、という動作が定義されていて、でもそれって練習しないとできない動作で、技術なんだなと思う。意識して動かさなければ、その通りに動かない。女性だから、男性だから、自然とできる動作ではないと思った。

ヴィクトルが早口でダメだししてくるのが好きで、私は人が技術の話をしてるのを聞くのが好きだ。

ユーリの見送りに優子が来ていて、優子がユーリのことを気にかけていたからユーリが会場を出ていくのに気づいたんだろうと思うし、ユーリは優子を追い払わずに会話をしているから、優子に気を許しているんだなと思う。

勇利のモノローグだけでラストシーズンと言っているけど、ラストだってこと他の人には言ったのかな。