つづり

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ユーリ!!! on ICE 感想 5話

ユーリ!!! on ICE 感想 5話

 
4話の感想で書き忘れた。俺を待たせるなんてアエロフロートと勇利くらい、というヴィクトルのセリフを字面通り受け取るなら、誰かに待たされる状況で待たずに帰ったり、逆に約束をすっかり忘れて誰かを待たせたりしているヴィクトルがいたのかもしれない。
このセリフは皮肉だけど面白い。ヴィクトルがカツ丼を食べながら、フィギュアスケーターとしてあるまじき体型だと勇利に指摘したときにもそういうしゃべり方をした。

余談だけど、スポーツで必要な指摘をするのではなくて、日常生活でたいして親しくもない人が他人の体型に対して失礼なことを言うのを聞くと、いやな人だと思う。


勇利のモノローグから5話が始まる。1話を見返すと特別強化選手というのは、ユーリの世界では勇利ひとりしかいない。特別強化選手について検索してみたら、アニメと同じようなページが出てきて、ここがもとになっているんだなと驚いた。フィギュアスケートのことをよく知らないから、調べながらアニメを見ている。

眼鏡の上から手で顔を覆うとレンズに指紋が付きそうだなと思う。いろんな選手が座っている様子が見えるけど、さっき調べたサイトに載っていたように、女子シングルとかペアとかアイスダンスの種目の人たちだろうか。

4話で長谷津の三つ子に南選手がいるよと言われたり、係の人が南選手と呼んでいたりするのに、誰だっけ、と考えている勇利は本当に人に興味がないんだなと思う。好きな人は好きだけどそれ以外は別に、という感じだ。面白い。

マッカチンのティッシュケースを持っているヴィクトルに勇利は適当な返事を返していて、ふたりは親しくなったんだなと思う。

南くんが勇利のことをとても好きだということは冒頭から最後までぶれない。

ヴィクトルが着てるスリーピースは絶対高いスーツだ。トム・フォードみたいな。スーツもいいし、黒手袋も最高だ。ありがとう。

緊張しないようにどうにかして集中したいと思うときほど緊張して集中できない。

わくわくしてちょっと飛び跳ねながら、選手を送り出すときに何をするか話すヴィクトルが面白い。勇利に無視されて怒っていて、結局勇利の後ろから抱きしめて送り出している。そのシーンを記者に撮られていて笑ってしまう。

勇利は緊張しないように集中しようと漠然と思うよりも、俺を全力で誘惑しろと言われてヴィクトルのことを考えていたほうがよっぽど集中できるのかもしれない。ヴィクトルは普段の練習からそう言っていたのか。

手に入れた男ををポイっと捨て、のところで効果音が入っていていつ見ても笑ってしまう。5話ではSPを一通り見せて(後半ではFPを)こんな感じで滑るよと紹介しつつ話を進める回かなと思った。

ヴィクトルがマッカチンをまねて鳴き声出していて、かわいいしうまい。

南くんが言っていたローエングリンを調べた。オペラだった。

勇利は自分のことで精一杯で周りのことまで気にしていられないように見える。これまでの勇利はそうだったのかな。

ヴィクトルが怒って行ってしまったあと、勇利はモノローグでヴィクトルに反論していて、勇利には自尊心があると思った。

ヴィクトルに反論しつつも、勇利は自分の行動を少しずつ変えていて、とてもいいと思う。

勇利がFPの試合前に黙って歩いているとき、背後で流れている曲は、メンデルスゾーン バイオリン協奏曲 ホ短調 Op.64 第3楽章という曲らしい。ここは音楽がすごくかっこよく盛り上げていていいなと思う。試合前の勇利は南くんの視点から見た勇利なんだと思うけど、南くん視点の勇利はとても魅力的だ。

Op.って何だと思ったら作品番号のことだった。出版社でつけた出版順の番号らしい。メンデルスゾーンは少なくとも64曲作っているのか。すごいな。

そのあとヴィクトルがさりげなく勇利にリップバームをつけていて、すごくびっくりした。他人に唇を触らせるってあまりしないし、見ないし、すごくびっくりした。距離が近い。親密という言葉がぴったりくる。ヴィクトルは意図的にやってる気がするけど、勇利は何を考えているんだろう。何も気にしていないのかな。

リップバームというものがあることを初めて知った。容器が保湿クリームかワセリンみたいだけど、それよりももっとおしゃれな容器だ。当時見ていた人たちが買いに行ったということが話題になっていたことを思い出した。おしゃれで、さりげなく持てるもので、ユーリを見ていた人たちはその持ち物の意味を知っている、というものがあったら私もほしいと思う。

5話で初めてヴィクトルのモノローグが入る。物語の主人公が勇利からヴィクトルへ入れ替わるみたいだと思った。

4話まで、ヴィクトルの一人称は俺と僕の両方が混ざっていたけど、5話からは俺で統一される。

ヴィクトルがハグをして、勇利がハグを返すことは、もう5話では当たり前のようになっているんだなと思った。

勇利がヴィクトルに飛びつくようにしてハグをしようとしている写真を見て、ユーリは誰に、もしくは、何に嫉妬したんだろう。

ボードに書かれた勇利の今年のテーマを見て、反射的にいやだなと思った。いやだと思ったのは、愛を振りかざす人はたいてい暴力を愛と呼んでいるからだ。でも勇利はそういうキャラクターじゃないから、そこまで悪くないはずと思って、後の言葉を聞いた。

家族や地元に対する微妙な気持ちと勇利が言ったことがうれしかった。家族や地元は必ず愛するべきものだと言われると窮屈だし苦しいと思う。

勇利の愛はわかりやすい愛や恋ではないらしい。初めてつなぎ止めたいと思ったのがヴィクトルで、感情に名前が付けられないけど、愛と呼ぶことにした。

勇利の言うわかりやすい愛や恋は、よく宣伝されているもので、男女が知り合って告白してキスしてその先の性的なものがあって結婚して、みたいなものなのだろうか。

名前が付けられない感情は誰にもどこにでも、多分たくさん存在していて、名前がないから色々と言葉を探す。説明するのが難しい。(言葉をつくして話したのに、難しいからわからない、そんなもの存在しないと言われると腹が立つ。)

名前のない感情があることと、それを愛と呼ぶことがあることを明示したことがうれしかった。でも同時に悲しくなった。同性に対する感情を最初から愛と呼ばないの?

異性を好きだとか愛情があるとかそういう人が存在していて、同時に同性を好きだとか愛情があるとかそういう人が存在していて、他にももっとたくさんの感情が存在しているのに、異性を好きになる人だけが、何の恐怖もなく、感情を愛と呼ぶみたいでいやだった。

勇利がヴィクトルをつなぎ止めたいと言葉にしていて、同性に対する感情をはっきりと口にしたからびっくりした。勇利は名前はない感情だと言ってから、あえて愛と呼ぶと言っている。勇利が最初から愛と呼べないことに悲しいと思ったり、今の社会ではこれしか言えないのかもと思ったりして悲しかった。

ユーリを一緒に見ていた人が、勇利の言葉を聞いて、そんなこと言ったら誤解されるよと苦笑していた。私はそれがとても腹立たしかった。

例えば勇利がヴィクトルを好きだとこの会見を聞いていた人たちに思われたとして、何か悪いことがあるだろうか。特にないと思う。

同性を好きだと「誤解」されたら、大人も子供もよってたかって非難をする、ひどい言葉をぶつけて、いやがらせをしてやる、二度と何も言えないように苦しめてやる、わかったら黙っていろ、という脅しだろうか。

私は人と話すのも思ったことを言葉にするのも下手だから、とっさに何も言えなかった。

ヴィクトルにとってダサいものは燃やす対象なのか。勇利は日本語でしゃべっていたと思う。ヴィクトルはどのくらい聞き取ったんだろう。英語の字幕とかあったのかな。

ピチットくんは最後少ししかしゃべってないのに、ネット(SNSか)をよく(しかも熱狂的に)使っているのがわかって面白い。