つづり

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ユーリ!!! on ICE 感想 10話

ユーリ!!! on ICE 感想 10話

 

9話で書き忘れた。ミケーレのFSの曲が好きだ。穏やかで切ない曲だ。

10話はヴィクトル視点でlifeとloveについて。ヴィクトルが何を考えているのか知ることができる話だ。

表情をつくらずにクリスの写真を撮っているヴィクトルが珍しい。クリスといるときはわりと気を抜いてる感じだ。

ユリオが口汚いのはユリオらしいと思うけど、人の容姿に関してなんか言うのはいやだと思ったから、リリアが注意してくれてよかった。ユリオは女の子が好きじゃない、というか女の子を象徴するとユリオが思っているものが好きじゃない。でも、いやな顔をしつつファンの写真に一緒に写っていて、ファンにはそれなりの対応をするという所作が身についている感じがする。
それはそれとして、ファンに追いかけられるのは面倒だろうと思う。ファンとしては(アスリートだけでなく俳優など)好きな人を追いかけたい会いたい声をかけたいという気持ちもあるし、見ていて板挟みみたいな気持ちになった。

ヴィクトルのJJに対する語り方が面白い。さらっと話しているけど、あまり触れたくない、眼中にないもしくは好みじゃない、という感じ。

ユーリがJJのフィアンセ(名前が出てこない)にファンを馬鹿にされて怒っているのが面白い。ファンを好きじゃないけど、馬鹿にされるのはいやなのか。それと、その後の返しで、ユーリはJJのフィアンセを貶すのではなくて、JJを貶していて面白い。それと悪口をJJ本人の前で言っていて、そういうユーリのはっきりしたところが好きだ。

オタベックはこの話のあとに、1話(だったと思う)に出ていたことに気づいた。1話を見ているときはそこまで見てなかった。

ヴィクトルが勇利を時差ぼけスリーピングビューティと呼んでいるけど、冗談で言っているのか、本気でそう思っているのか、よくわからない。選手とコーチが同室で、ヴィクトルと勇利じゃなかったら、すごく気疲れして休めなさそう。

勇利は考え事をする時間があるとすぐに不安におそわれるから、それをなんとかやり過ごすのは大変だと思う。この後ヴィクトルとクリスが部屋に来たところで、ヴィクトルとクリスと勇利のthreesomeがいっぱい作られそうだと思った。

ヴィクトルの視点だから、勇利がこれまでの話で何を考えていたかすっかり忘れて見ていたけど、勇利はGPFが最後だと思っているから、最後だからヴィクトルと観光に行きたい、という意味もあってそう言ったんだろうなと思う。

観光しているふたりが楽しそうだ。旅行に行きたくなる。それとヴィクトルは買い物好きだ。他の人の感想で指摘されていたように、金銭感覚がヴィクトルと勇利ではだいぶ違いそう。

ヴィクトルは勇利が観光したいと言い出すのはめずらしい、緊張してるのかな、と言っていて、勇利の考えていることはヴィクトルに伝わってないなと思う。
同じ場所にいて同じことをして同じ言葉をしゃべっていても、互いに考えていることがさっぱり違う、という状況が好きだ。
相手に自分の考えていることを伝えるのは難しくて、相手に自分の考えていることが伝わっているはずだと思うと言葉にしないから余計に伝わらないし、相手に伝える必要がないと思うと言葉にしないから何を考えているのかわからなくなる。

追いかけてくるユーリのファンがこわい。救世主はバイクに乗ってやってくる。SNSで拡散されていて面白い。ユーリとオタベックで話をしているときのユーリの話し方がじいちゃんと話しているときみたいだ。ユーリは何で話しかけたのかオタベックに聞いていて、ユーリはわからないことがあったら(アガペーって何だと聞いたときみたいに)すぐに尋ねるタイプなんだなと思うし、オタベックは簡潔な話し方だから、話が早い。

ナッツの袋がない、という勇利とヴィクトルを見て、なんかこういう小さなもめごとのようなことはよくあるなと思った。そのあとどうやって対処するか、というのは人それぞれだと思うけど、このふたりはしばらく黙っている、という方法をとるらしい。

ヴィクトルが勇利を眺めて、勇利は答えを探しているとき、目を輝かせて、ダウジングみたいに何かを探している、しばらく様子を見よう、と言うシーンがすごく好きだ。
ヴィクトルはさっきまでけんかしていて、今もお互い話しかけても何となくかみ合わないのに、なんでそこからすぐ気持ちを切り替えられるんだろう、とは思う。
それでも、ヴィクトルが黙っている勇利を見て、勇利がいま何を考えているのか、ヴィクトルなりに語っていて、ヴィクトルが春に長谷津に来たときからずっと、勇利のことを知ろうとしていたことがわかってうれしい。2話から4話までヴィクトルは勇利のことを知ろうとして周りの人に話を聞いたり、勇利に話しかけたりしていたけど、改めてヴィクトルのモノローグから勇利を知りたい、という考えがうかがえてうれしかった。9話までヴィクトルが何を考えているのかあまりわからなかったから余計に。

他人のことを知りたい、わかりたい、何を考えているか、何を感じているか、と思う人は少ないと思う。人はそれほど親しくない人にはさほど興味がないと思うし、言葉がうまく出てこない人に対しては、言葉にしない分の思考を勝手に決めつけることもよくあると思うし、他人の行動を都合よく解釈して自分のために利用することもよくあると思う。
良いとか悪いとかじゃなくて、そういうことが多い中で、相手のことを知りたいということがこのシーンで描かれたことがうれしかった。

9話までは、ヴィクトルはコーチが終わったら、きまぐれに(勇利の視点からだとそう見える)勇利のところへやってきたみたいに選手へ復帰してロシアへ帰るのかなと思っていた。

教会で互いに指輪をはめるシーンは、7話でキスしてたし、現代の恋愛する人たちがするであろう行動はだいたいするのか、と思ってぼんやり見ていた。個人的に結婚や指輪があまり好きな制度ではないからそこまで高揚しないけど、このアニメで同性同士の二人がそこまで描かれるということには意味があるだろうと思う。ロシアや日本で同性婚は排斥されているか無視されている。視聴後に調べたら、スペインでは2005年から同性婚の制度ができている。

モノローグからするとヴィクトルもこの展開は予想してなかったのか。

指輪がいくらするのか知らないけど、分割で支払うなら勇利にとってはかなり高額な買い物なのかな。この時点で勇利はGPFが終わったら引退してヴィクトルから離れる気でいたと思うけど、そしたらこの指輪をどうするつもりだったんだろう。
でも最後だから勇利はどうしても金メダルがほしくて、不安に打ち勝つものが欲しかったのかもしれない。

勇利が指輪のことを、お守り、お礼、おまじない、と言っているのが気になった。もちろんおしゃれで指輪をつけることもあるし、人によってお守りとして使うこともあるだろうけど、現代の慣習として、指輪が結婚の象徴として使われていることはよく知られていて、教会で指輪を相手の指に付けることの意味も知っていて、それでもお守りだと言うのは、勇利がヴィクトルを試しているみたいだと思った。
この指輪はお守り以上の意味があるかもしれないし、ないかもしれないし、いつか特別なものにするのかもしれないし、そんな意図はないかもしれないし、という感じでヴィクトルを期待させたり失望させたりする。
勇利にそんなつもりはないのかもしれないけど、人を動揺させてひどいなとは思った。

教会から出てお互いに腕を回して歩く二人はいいなと思った。

真利姉ちゃんがオタベックのことを知らないところが、つい最近までフィギュアスケートに興味なくて、ユリオをきっかけにして、スケートを見るようになった、という感じで面白い。1話のときも書いたけど、真利と勇利の長年一緒にいたきょうだいだけどさほど共通点がない他人という間柄が好きだ。

ミナコ先生や真利姉ちゃんみたいに憧れの人に直接会えたら、まともに話ができる気がしない。舞い上がって呼吸するので精いっぱいになりそう。

ヴィクトルがビールを吹き出すのを見て、ここでやっと勇利と記憶のかけ違いを知ることになったんだなと思って感慨深い。

バンケットというのはヴィクトルと勇利の物語に欠かせないものになったけど、社交性とマナーとお酒と聞くと絶対に行きたくないなと思ってしまう。面倒そう。

知らなかったけど、結婚指輪をつける手は国によって違っていて、ロシアやスペインは右手につけるみたい。
GPF前にコーチと選手がいきなり結婚指輪をつけていたらびっくりする。いまさらだけど、これがヴィクトルと勇利でなかったら、コーチと選手は恋愛するには向かないんじゃないかとか、持ってる権力が違うからこわいと思ったりはする。

さっき勇利はひどいなと思ったけど、ヴィクトルはヴィクトルでちゃっかり婚約指輪だと公言しているから、この状況を使わない手はない、という感じで面白い。

海でヴィクトルとユーリが話しているシーンはどうとらえたらいいのか難しい。言葉通りでいいと思うんだけど難しい。
ヴィクトル・ニキフォロフは死んだ、というユーリのセリフは、あとで戦いたかったかと聞くヴィクトルのセリフから、以前の競技者のヴィクトルは死んだ、ということでいいのかな。リリアが過去の自分は死にました、何度でも生まれ変われる者が強い、と言っていたから、そこから来ている言葉なのかもしれない。

他の人の感想で、ユーリに蹴られてもヴィクトルの体幹がぶれないとあって、そういう見方もあるのかと思った。

ヴィクトルが手が震えるくらいユーリの顔を掴んでいて、びっくりした。怒りを表す行動が思っていたよりも暴力的で怖いけど面白い。

ユーリは言葉通り、コーチのくせに競技者面するのをやめろ、と言いたかったのか、それとも言葉とは裏腹に、勇利に勝ってコーチとして無能だと証明するから競技者として戻ってこいと言いたかったのか、よくわからない。
2話でユーリはヴィクトルにロシアに帰ってきてほしいと言っていたけど、10話で何を思っているのかわからない。ユーリは勝ちたい、勇利にも他の選手にも、ヴィクトルにも、全員を超えたい、ということでいいのかな。
何にせよ、ユーリがヴィクトルに腹を立てていて、ヴィクトルはユーリの言葉に怒っている。

ミナコ先生が写真撮ってと言ったのは、勇利の映像が柱か壁に映されているからか。

さっきの海のシーンやこの試合前のピアノの曲がとても好きだ。海のほうは穏やかで、試合前はドキドキするような終わりが近づく怖さがあるような気がする。

この1年前のバンケットのシーンが好きだ。ヴィクトルとクリスとユーリのスマホの写真から、酔っぱらった勇利が何をしたか種明かしをする方法がとても鮮やかで好きだ。

踊りに詳しくないから、技術のことはわからないけど、勇利は緊張と不安に飲まれていなければ、こんなに魅力的で楽しそうに踊ることができる、というのはわかる。
ボトルから酒を飲みながら足をまっすぐ上げている写真で、スラックスと革靴の隙間から靴下がのぞいていて、個人的な感想だけど色っぽいと思った。

ポールダンスは筋肉がたくさんないとできないと聞いたことがあって、アスリートってすごいなと思った。他はブレイクダンスパソドブレというダンスだろうか。デトロイトにいた頃に各種ダンスを教わったのか、ピチットくんに連れられてあちこち行ったのかどうなんだろう。

笑いながら踊っているヴィクトルと勇利が楽しそうで好きだ。あまり真面目じゃない感想を言うと、ワンナイトスタンドみたいだとも思った。

ユーリのスマホはロシア語設定だ。他の二人と比べて写真がたくさん撮ってある。ユーリと勇利がダンスバトルしているときは、クリスの写真に写っていたように、ヴィクトルが写真を撮っていたのか。

写真のあとに、勇利が酔っぱらってビーマイコーチ、ヴィクトル、と言って抱き付いたあとのヴィクトルを見て、人が人を好きになった瞬間を見たと思った。
さっきワンナイトスタンドみたいと書いたけど、ヴィクトルはワンナイトのつもりはなくて、これから先に勇利を見かけたら、また声をかけようと思っていたのかもしれない。

この10話の時点では、ヴィクトル視点とバンケットの種明かしにびっくりしたけど、同性の二人をどういう展開に持っていくのか、製作者が何を思って作ったか、信用していいのかわからなくて、今までの数多くの(特に日本の)アニメ作品で、恋愛を含む人間関係で異性以外の関係を丁寧に描いた作品はほとんどなかったと思うから、最後まで見ないとわからないと思って警戒していた。

12話まで見て、色々な人の感想を見て、2話の使ってない宴会場でヴィクトルが勇利の顎の下を片手で支えて、もう片方の手で勇利の手の甲を触っているところや、3話のリンク上でヴィクトルが勇利の唇に触れながら話しているところで、ヴィクトルが勇利に近付いていたシーンは、これまでのアニメのような視聴者に向けたサービスではなくて、少なくともヴィクトルが勇利にアプローチをするための手段のひとつだったかもしれないと思って、ほっとした。

ほっとしたという言い方は、変かもしれないけど、ヴィクトルの行動にはバンケットやその後の離れずにそばにいての動画を見て心を動かされたということが根本にあって、勇利を自分のスケートに利用したいという意図もあっただろうけど、ヴィクトルという人の複雑な感情の中に、ヴィクトルが勇利を好きだという感情がちゃんと存在していたことがうれしかった。

人が同性の人を好きだと思うことを否定されなくてよかった。人の感情はひとつだけに絞れなくて、好きだ、スケートに利用できる、休みが欲しい、みたいな色々な感情が巡って、それが時間とともに変化して、離れずにそばにいたいという感情になったように見えた。