つづり

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ヴェノム感想

ヴェノム感想

以下、映画の内容を含む。

報道記者のエディ・ブロックがライフ財団のトップのドレイクを取材したが、取材中にライフ財団がホームレスを人体実験して死者を出していることに言及したため、エディは仕事を首になってしまった。ドレイクはシンビオートと呼ばれる地球外生命体を人に寄生させる人体実験を繰り返していた。エディはライフ財団に潜入したがヴェノムと名乗るシンビオートに寄生されてしまった。ヴェノムは人間を食べようとし、宿主のエディの内臓もつまみ食いしている。ドレイクはより多くのシンビオートを地球に呼び寄せ、人間たちに寄生させようとしている。
そんな感じで表面上の話は、エディとヴェノムはドレイクを阻止できるか、というものだと思う。ただ、地球にやってきたシンビオートの3体目が目を離したすきに死んでしまったり、そもそもドレイクというキャラクターの背景がよくわからなかったり、ヴェノムが中盤までエディの内臓を食べていたのでエディが弱っているけど、ヴェノムがエディから離れてもエディは通常通り歩いたり走ったりしてエディの体はどうなっているんだと思ったり、いろいろな点でこの映画は話の進め方がざっくりしているので、そこまで真面目に話の展開について考えなくてもいいような気がした。
それよりエディとヴェノムが出会って意気投合するまでの過程を楽しむための映画だと私は思った。

 

トム・ハーディはとてもかわいくて愛くるしくて、リズ・アーメッドはとても美しい人だと思って観ていた。

 

キャラクターの話をすると、エディはアニーとダンに感謝してもしきれないんじゃないかと思った。

エディがライフ財団に取材に行く前に、そのとき恋人だったアニーのパソコンを勝手に見て、アニーが仕事で扱う訴訟の情報を盗み見ている。
その行動がどうしてもいやだったので、私はエディをいまいち信用できないと思ったけど、いかんせん見た目がトム・ハーディなので、当惑したり走ったり木に登ったりする行動ひとつひとつがかわいくてしょうがないので、キャラクターの欠点を役者の魅力が補っていると思った。

結局エディが原因でアニーは仕事をクビになり、アニーとエディは破局するけど、他人のパソコンを勝手に見るような人とは付き合えないと思うので、たとえここで仕事をクビにならなかったとしても、今後アニーはエディを信頼できなくなるんじゃないかと思った。

ヴェノムにとりつかれたあとのエディがレストランでアニーとダンのデートを邪魔しつつ、ヴェノムの行動を抑えきれなくなり、暴れ出したのを、ダンが自分の患者として病院に連れて行ったので、ダンは基本的にいい人だし、いい医者だと思った。多分ダンはエディに診療費を請求してないと思う。

 

ヴェノムにとりつかれたばかりのエディの行動は怖くて笑えなかった。暴食して吐いて浴室で気を失って、目が覚めて部屋の惨状を目にしたエディのことはとても気の毒だと思ったし、怖かった。
エディがバスで(実際にはヴェノムが話しかけているからひとりではないんだけど)独り言を言ったり、突然立ち上がったりするから、周りの乗客が驚いていて、エディが言い訳するように話すシーンは見ていて辛かった。

 

アニーもダンと同様にエディのことを心配していて、エディを病院に連れて行ったり、ドレイクの企みを阻止するためにエディに手を貸したりしていてなんていい人なんだろうと思った。

アニーともう一度付き合いたいエディは虫がいいと思う。アニーはエディともう一度付き合う気がなさそうなのでそれはよかったと思って安心した。ヴェノムがエディを大好きなんだから、エディはヴェノムとイチャイチャしてればいいと思う。

 

エディのどこを気に入ったのかよくわからないけど、ヴェノムはエディを気に入ったので、エディを食らって燃料にすることはできなくなってしまった。
エディにとってヴェノムとの出会いは幸運だと思うけど、ヴェノムはエディと出会ってしまったことが幸運なのか不運なのかわからない。

ヴェノムは自分のことをloserと言ったけど、エディと似ているとは思えない。ヴェノムは宿主を探せば他の惑星で生きていけるし、辺境の星の言葉をすぐに使いこなして意思疎通ができるし、文化や習慣をすぐに理解できるし、人に謝ることを知っているし、さりげなくエディに助言して人の仲を取り持つことができるし、人間の機微に敏感だし、割とすごい生き物だと思う。

英語でloserという単語は割とよく見かけるけど、失敗した人とか意気地なしとか負け犬とかいろいろな言葉に翻訳されるので、いろいろな意味を持った言葉なんだろうか? でもあまり好きな言葉ではない。

 

エディはアニーといい、ダンといい、ヴェノムといい、いい人(と生き物)ばかりと出会う。

 

自分が人間を信用していないので、人間がシンビオートの燃料になっても別にいいのでは、人間がいなくなったほうがよっぽど地球に優しいと思った。

 

二人羽織でヴェノムが運転するバイクに乗るシーンや海でずぶぬれになったエディに初めて実体を出して話しかけるヴェノムとか、それから、ヴェノムがエディに入るシーンで、最初はマリアにとりついたヴェノムに襲われて、次はアニーにとりついたヴェノムにキスされて(アニーは平然としていたけどエディは声を出してなされるままだったので私はびっくりした)、その次はエディがヴェノムに自ら手を伸ばして、最後はヴェノムが死んだエディに入り込み命を与える、という流れになっていて、言いようのない感情が渦を巻いているんだけど、上手く言葉で言い表せない。とりあえず二次創作を見に行こう。

 

AO3のようにこの映画にタグをつけるなら、Graphic Depictions Of Violence, Minor Character Death, Cannibalism, Binge Eating, Vomiting, Inappropriate Behaviour, Auditory Hallucination あたりをつけることになるだろうか。

 

これはいつも書いていることだけど、エディがアニーと恋人で後で振られるけど、いつも女の人と男の人じゃなくてもよくないか。恋愛するのが男性同士でもいいし、なんなら女性が主人公で付き合ってるのも女性でもいいんじゃない。キャラクターが必ずしも恋愛する必要はないけど、マーベルの映画はいつも女性と男性の恋愛のみ描いている印象がある。

 

ポテト*1とチョコとエディのいう悪人を食いながら、エディと生活していくことがヴェノムにとっていいことなのかよくわからないけど、楽しそうだからいいかな。気の合う二人で良かった。気が合わないと四六時中一緒にいて秘密のない関係なんてやっていられない。

エディとヴェノムの日常を描くミニシリーズがあったら絶対観ると思うので、今後何か作るならその方向性でお願いしたい。

*1:ここでいうポテトはテイタートッツという食べ物のことらしい。私はてっきりチップスのことかと思っていた。